はじめに

本コースの概要

本コースはAIエンジニアに頼らず、AIを活用したい方向けに自動化された機械学習(以下、AutoML)の使い方を学ぶ教材です。また、本コースは総務省が公開しているAI導入ガイドブック(外観検査)を参考にプロトタイプの作り方にフォーカスしています。具体的には、Googleが提供するAutoML Visionというサービスを使い、コストを最小限に抑え、短期間でAIによる簡易的な外観検査装置のプロトタイプ作りに取り組みます。手を動かしながら学んでいただき、AI活用の第一歩にしていただけることを期待しています。

こんな方におすすめの教材です

前提となるAIの知識や複雑な技術は必要ありません。未経験の方も安心してください。

  • Auto MLに興味があり理解を深めたい学生、ビジネスパーソン
  • 産業を問わず目視検査プロセスにAIを活用したい方 (R&D部門、情報システム部門、個人事業主など)

本コースで作るシステム

クラウドサービスや小型コンピューターを組み合わせて、AIによる簡易的な外観検査装置を作ります。

本コースの最終ゴールは、工業製品(ワッシャー)の傷をAIの技術によって自動検出させることです。 最終章まで手を動かしていただくことで、AI活用に対する理解を深めていただき、目視検査の課題解決手段につながれば幸いです。

制作に必要なものを準備しよう

本コースでは実際の外観検査装置を使用するのではなく、装置に見立てた筐体をダンボール箱等を組み合わせて制作いただきます。 具体的な作り方については、第1章以降詳しく説明していきますが、事前に必要な必要な部材をリストアップします。

※推奨品に記載のある品名は著者が実際の制作で使用し動作確認済みです。 ※推奨品以外の機器等を使用される場合、正常に動作しない場合があります。

イメージ 必要な部材と数量 用途 推奨品(リンク)
オートフォーカス機能付きのWEBカメラ1個 目視検査をAIに任せる「目の役割」として第1章以降で使用します。 ロジクール Webカメラ C922n フルHD 1080P
段ボール箱1箱 外観検査装置の筐体として第1章以降で使用します。 中古の空箱で問題ありません。以下のサイズのものをご準備ください。幅 :30cmから35cm程度高さ:9cmから10cm程度奥行:20cmから25cm程度
USB電源タイプのリングライト1個 外観検査装置の筐体内部に取り付け照明として第1章以降で使用します。 LEDリングライト 4.5インチ
USB充電器1個 照明のバッテリーとして第1章以降で使用します(照明に対して電源供給できれば問題ありません) 特に推奨品はありません。
小型コンピュータ(Raspberry Pi4)1台 外観検査装置本体の一部としてプログラム処理をするために第2章以降で使用します。 Raspberry Pi 4B 4GB現在、入手困難な状況になっており、価格も変動しています。在庫状況や価格をご確認のうえ、リンク先以外のショップもご検討くださいスタータキットRaspberry Pi本体に加えてMicroSDカード、電源アダプター、ケースなどRaspberry Piに必要なものが一式で販売されているものもございます。
MicorSDカード(16GBまたは32GB)1枚 小型コンピューターのOSやデータを保存するために第2章以降で使用します。 特に指定はありません。(迷われた場合は、スタータキットの購入をお勧めします)
電源ACアダプター1個 小型コンピューターに電源を供給するために、第2章以降で使用します。 Raspberry Pi 4 電源(迷われた場合は、スタータキットの購入をお勧めします)
小型コンピュータ専用ケース1個 小型コンピューターの専用ケースとして第2章以降で使用します(ケースが無くても動きますが基板がむき出しになるため推奨としておきます) Raspberry Pi 4 ケース(迷われた場合は、スタータキットの購入をお勧めします)
メジャー1個 ダンボール箱を工作するために第1章で使用します。 特に推奨品はありません
布ガムテープ1個 ダンボール箱を工作するために第1章で使用します。 特に推奨品はありません
定規、カッターナイフ各1個 ダンボール箱を工作するために第1章で使用します。 特に推奨品はありません
ホットボンド1個 ダンボール箱を工作するために第1章で使用します(接着剤を使用してもいいですが、扱いやすいため推奨としておきます) グルーガンキット(類似品であれば同じ品でなくても問題ありません)
黒ダンボール紙(B4)注.光沢のないもの2枚程度 外観検査装置のパーツとして第1章以降で使用します。 特に推奨品はありません。(注意点としては、光沢のないものを使用ください(光が反射してしまうと検査に影響がでるためです)
ワッシャー60枚程度 外観検査装置の検査対象物として第4章以降で使用します。 ワッシャーM8(5/16) (類似品であれば同じ品でなくても問題ありません)
マイナスドライバー1本 ワッシャーに対して、傷をつけるために第4章以降で称します。 特に推奨品はありません。
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